八ヶ岳Work&Life

新しい施設だからこそ、自分のアイディアを形にできるし、やりたいこともできる

2023年OPEN

文化祭の準備のようにワイワイ働く

サークル活動や文化祭の準備をするように、仲間と笑いながら「次は何をしようか」と考える。そんな職場で働きたいと思ったことはありませんか?そんなの理想論、と思うかもしれませんが、本当にそんなふうに働く人たちがいます。蓼科BASEの人々です。

蓼科BASEは2023年春、蓼科湖の湖畔に生まれました。開放感のあるガラス戸をくぐると、店内にはレストランやベーカリーといった飲食のお店が。観光案内所や、誰でも使える休憩用ラウンジもあり、旅の途中にふらっと立ち寄ることができます。

さらに、日帰り入浴可能な温泉や宿泊施設もあり、ここを中心に高原の旅を楽しむことも。蓼科を訪れる人の拠点となる場所です。

そんな蓼科BASEには、観光客だけでなく、若いスタッフも集まっています。その多くは都心などほかの地域からやってきた移住者。もともと縁のない土地での仕事は慣れないことや大変なことも多いのではと思いきや、みんな口を揃えて「ここでの仕事や暮らしは楽しい」と話します。

イチから施設をつくる、毎日が新しい仕事

この施設を立ち上げから引っ張ってきた柴田良敬さんも若き移住者のひとり。埼玉県出身で、蓼科の老舗旅館に入社後、26歳で蓼科BASEの支配人に抜擢されました。話を持ちかけられたとき、最初に思ったのは「おもしろそう」ということでした。

「新しい施設をイチからつくるというのがおもしろそうだと思ったんです。最初はコンセプトや設計図しかない状態。そこから、実際に建物ができ、レストランが入り、宿泊するお部屋が整ってと日々できあがっていくのを、一番近くで見て、実際に携わることができました。オープンを迎えてたくさんのお客様に利用していただいたときは、大きな達成感を感じることができました」(柴田さん)

そんなおもしろさは今も続いています。

「蓼科BASEはまだオープンからようやく1年。新しい施設だからこそ、自分のアイディアを形にできるし、やりたいこともできる。産声を上げたばかりですので、今の形が完成形ではありません。まだまだ考えることも、できることもたくさんあります。ルーチンワークとはまったく違って、毎日いろんな新しいことを考える必要がある。そうやってやったことがないことや、知らなかったことに触れられる仕事はやりがいがあります」(柴田さん)

また、印象的だったのは、柴田さんたち働く人たちが友だちのように仲良く話していることです。蓼科BASEは施設自体に所属する人だけでなく、レストランなどテナントも入った複合施設。いわゆる大家と棚子の関係なのですが、ここではその垣根を越えてみんながいっしょに話をしています。

「蓼科BASEは過去のデータなどがあるわけではないので、いろんなことを試しながら運営しています。そんななかで、毎日顔を合わせるテナントの方とも自然といろんな話をして、いっしょになって考えるようになりました」(柴田さん)

新しいことにいっしょにチャレンジできる環境

テナントのひとつ、AIN SOPH. ripple蓼科店・遠藤優子さんは、そんな蓼科BASEでの関係を「仲間」と表現します。

「立ち上げたばかりで蓼科BASEという施設自体も手探りなんです。だから、テナント同士も話し合うし、蓼科BASEさんともいっしょに考える。上下関係でなく、みんなで協力する形になっていった。本当にイチからいっしょにつくる仲間という感じです」(遠藤さん)

そんな関係は、チャレンジしやすい環境もつくっています。同じくテナントのひとつであるベーカリー・Octet Timeの倉根千春さんは、蓼科BASEの環境が新商品開発の助けにもなっていると言います。

「百貨店のなかにあるパン屋さんで働いていたこともあるんですが、やっぱり店舗ごとで仕切られているので店舗間の交流はそれほどありませんでした。でも、ここではいろんな人とざっくばらんに雑談できるし、情報共有もできる。もともと新しい商品をつくりたいという気持ちがあったんですが、ここだとほかのテナントの人に試食をしてもらって意見をもらったり、コラボの相談をしたりもできる。やりがいがありますね」(倉根さん)

また、もともと多くの観光客に愛されてきた自然環境が、働く人にとっても大きな魅力になっています。地方で働くことに興味があったというカフェレストラン・APRON MARKの小笠原ななこさんは、仕事だけでなく暮らす場所としての蓼科に魅力を感じていると言います。

「もともと自然の多いところで働きたいという気持ちがあったんです。蓼科は高い建物が少なくて空や星がすごくきれいに見えるのが私にとっては最高です。ドライブも好きなのでビーナスライン(蓼科エリアを通る高原の観光道路)を走ったりするのも楽しいですし」(小笠原さん)

さらに、蓼科周辺は多くの源泉が集まる温泉地。気軽に温泉巡りができるのがたまらないという声も。蓼科BASE自体にも温泉があるので、仕事終わりにお風呂に入って帰るなんてこともあるそうです。

施設だけでなく
蓼科全体を盛り上げたい

住み、暮らし、働く。そんななかで、蓼科BASEの人たちは、施設のことだけでなく、蓼科という地域全体のことも考えるようになると言います。背景には、蓼科BASEが地域との関わりが深いこともあります。

蓼科BASEを運営するのは「帰ってきた蓼科」というちょっと変わった名前の株式会社。この会社は、蓼科エリアの観光事業者や観光協会、地元金融機関などの出資で2017年に設立されました。

蓼科は昭和初期から避暑地として知られる場所で、かつては文人・歌人、映画監督なども多く訪れる賑やかなエリアでした。その後も高原リゾートとして人気を集めていますが、多くの観光地同様、バブル崩壊以後の時代の変化に対し、地元でも再活性化を期待する声は大きくなっていました。

そんな声を背景に、蓼科をもう一度盛り上げることを目的として生まれたのが帰ってきた蓼科です。社名には「観光客に帰ってきてほしい」「賑やかだった時代が帰ってきてほしい」「地元を離れていく若い世代に帰ってきてほしい」という意味が込められています。

会社自体が単に営利を求めるだけでなく、地域の活性化を目的としてできたもの。蓼科BASEも蓼科という地域自体を考えた施設でもあります。

そのため、周辺施設の人たちや観光協会の人など地域の人たちも頻繁に訪れ、雑談交じりにいろんな話をしていくといいます。映画祭といった地域の大きなイベントがあるときは、施設の準備はもちろんのこと、イベント自体にも関わる機会が増えていきます。

「2022年に蓼科湖花火大会が24年ぶりに復活したんです。AIN SOPH. rippleも去年キッチンカーを出したんですが、それだけでなく花火大会自体も準備から関わらせてもらいました。そういうことをしているうちに、自分のお店や蓼科BASEだけでなく、蓼科という地域全体を盛り上げたいという気持ちになっていきました」(遠藤さん)

蓼科BASEや自分たちのお店をどうするかだけでなく、地域全体をどうするかまで考えて関わることができる。自分が望めば仕事の枠組みや境界を超えて働き、施設や地域の形もつくっていけるのが蓼科BASEなんです。

移住者も地域の人も自然とつながる

そんな蓼科BASEでは、知り合いも自然に増えていきます。

「とにかく人が優しいのがよかったです。この間なんか、家の駐車場の雪かきをしてたら近所の人が『仕事間に合わないでしょ』って手伝ってくれたり。(テナントの)ほかのお店の人も、近所の人もすごく親切にしてくれるのでご近所付き合いが楽しくて、スッとなじめました。テナント同士でいっしょに飲みに行ったりもしますよ」(小笠原さん)

私生活でも楽しみながらコミュニティが広がる機会があります。

「このあたりは農業をやっている若い移住者も多くて、田植えや稲刈りなど人手がたくさん必要になる時期は、お手伝いを募集していることもあるんです。そういうところに手伝いに行くと、お友だちもできるし、お礼においしいお米をもらえたりもする。そうやってどんどん輪が広がっていきます」(遠藤さん)

生まれたばかりの新しい施設。だからこそ大変でもあるけれど、そこに関わる人たちはみんな楽しむように働いていました。

COMPANY INFO

帰ってきた蓼科 株式会社蓼科BASE

食べる、知る。留まる、泊まる。いま蓼科をひらく拠点。蓼科レイクリゾートの観光拠点として昨春オープン。都会の喧噪から離れ、リトリートな時を過ごすことができるユニークな施設。

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