八ヶ岳Work&Life

子どもといっしょにご飯を食べて、週末はいっしょに過ごす。そういうのが僕にとって普通だったから

宮澤宏典さん

2018年1月入社

転職のきっかけは「子どもといっしょの時間」

朝は夜明け前の4時ごろに出勤。家に帰るのは夕方5時、6時ごろ。宮澤宏典さんのかつての生活はそんなスタイルでした。

地元地域出身の宮澤さんは大学で静岡県へ。卒業後、そのまま静岡で就職することも考えましたが、最終的に地元企業に就職を決めました。

新卒で入ったのは野菜などの卸売り、いわゆる市場です。市場が動き出すのは朝イチ。朝日が出るころには出勤し、出荷されてくる野菜に対応します。その後、一段落したら休憩時間に。お昼寝したり、ちょっと遊びに行ったりできるような休憩を挟んで、再び仕事に戻り、夕方まで職場にいる。休憩があるので仕事の時間自体が極端に長いわけではないものの、拘束時間が長い形です。生ものを相手にする仕事なので、休みも土日とは限らない業種でした。

そんな生活と仕事のスタイルにも馴染んでいき、日々出荷されてくる野菜を見ながら季節を感じたりしながら10年ほど市場での仕事を続けていました。

そんな宮澤さんが転職を決めたのは、結婚し、子どもができてしばらくしたころ。

「仕事自体に不満があったわけではないんですが、どうしてもそういう勤務形態だと子どもと一緒にいる時間がなくなっちゃうんですよね。それで、勤務時間が安定していて土日が休みの仕事っていうのを探したんです」(宮澤さん)

野菜の市場から精密機械のものづくり企業へ

宮澤さんが東洋精機工業に出会ったのは2回目の転職のとき。最初のきっかけは「土日休みで安定しているといったら製造業かな」というイメージからだったといいます。

諏訪湖周辺地域は精密機械工業が盛んな地域。戦前、さまざまな機械工業企業がこの地に疎開し、そうした企業が残した技術を基盤に、戦後カメラや時計、オルゴールなど精密機械工業が発展していき、現在でも数多くのものづくり企業が集積しています。東洋精機工業はそんな諏訪地域でもよく知られる会社のひとつです。創業1956年、茅野市にある本社と周辺の複数の工場に加え、関東や大阪、広島など国内各地に営業所が。さらにアメリカやインドネシア、タイに現地法人もあり、世界で仕事をする会社です。

中心となっているのは工作機械。つまり、部品などを加工するための機械です。たとえば、自動車工場などで必要な部品があったとき、その部品をつくる専用の機械を設計し製造しています。

とはいえ、実は宮澤さんも最初はどういう会社か詳しくは知らなかったといいます。

「この会社で何をつくっているかというのもおぼろげだったくらいです(笑)。求人に応募したのも、『受けてみてダメだったらダメだったでいいや』ってくらいの気持ちでした」(宮澤さん)

業種としてもいわゆる理系、エンジニアが多く働くところ。前職までとは畑の違う会社でした。ですが、宮澤さんは業種は違えど生きるスキルもあるとは思っていました。

「募集していたのが購買部、つまりエンジニアが設計した機械に必要な部品を調達する部署だったんです。市場では営業もやっていて、物のやりとりならできるだろうって感覚があったので」(宮澤さん)

何も知らないところからはじめた購買部の仕事

そうして入社した宮澤さん。最初は右も左もわからない状態だったといいます。

「最初は本当に何もわからなかったですね(笑)。購買部は、設計から部品表っていう機械をつくるために必要な部品の一覧が回ってきて、それをいろんな会社から集めるんですけど、まず使われてる用語がわからない。現場の人たちは職人気質の人が多くて、本当に細かい専門的なことまでよく知っているんです。それに対して、僕は本当に素人で何も知らないので、はじめは話をするのも苦労するくらいわからないことだらけでした」(宮澤さん)

実際、東洋精機工業ではエンジニアでも営業職でも、新卒採用で入社すると1年前後いろんな現場に入って経験を積む期間を設けています。設計するにしろ、営業するにしろ、会社でつくっているものがどういうものかわからなければできない。さらにひとくちに設計といっても、半導体系の装置や金属加工の装置など、つくっている機械は多様。だからこそ、いろんな部署に配属し、実際に組み立てていきながら自社の製品について知っていきます。

「僕も今年2か月ほど現場に入らせてもらう機会があったんですが、すごく勉強になりました」(宮澤さん)

現場の「大丈夫」に勇気づけられる

現在転職して4年目。勝手のわからないことも多い業種でも続いているのは、横のつながりやチームワークを大事にする社風も大きいといいます。

「もちろん怒られることもありますが、そんなときも現場の方たちは『大丈夫、何とかする』っていってくれたりするんです。やっぱりそういうのは大きいですね」(宮澤さん)

東洋精機工業の経営理念には「センス・アイディア・チームワーク」というモットーが掲げられています。仕事の場はもちろん、球技大会や希望者による社員旅行などを通して、いろんな部署の人たちが交流する機会も。普段から交流してつながりを築いていく社風を感じるそうです。

そんななかで、もっと現場の人たちを助けられるようになりたいという気持ちも大きくなっていると宮澤さんはいいます。

「やっぱり部品の調達が納期どおりに、しかもコストをいい形にまとめることができたときは嬉しいですね。現場の人たちは本当に仕事に誇りを持っている。だから、僕の方がもっとその人たちを助けてあげられるようになりたいなって思ってます」(宮澤さん)

週末は子どもといっしょに畑へ

転職の目的でもあった子どもと過ごす時間も増えました。平日は帰ってみんなで夕飯。土日もいっしょに過ごすようになりました。

「そういうのが僕にとって『普通の生活』のイメージなんですよね。自分が子どものころも、父は7時には必ず帰ってきてみんなで夕飯を食べてた。だから、それが当たり前なんだと思ってましたし、毎日終電で家族と顔を合わせない生活って考えたことなかったです。そうすると子どもや妻とも自然に話しますし」(宮澤さん)

また、転職したころからはじめたのが畑。近くに小さな畑を借りて、じゃがいもやネギなど季節ごとにいろんな野菜をつくっていて、週末は子どもといっしょに収穫したりもしています。

「苗植えと収穫だけはいっしょにやってます。子どもが植えた苗は浮いてるし、収穫も雑ですけどね(笑)。でも、苗植えや収穫だけじゃなくて、土をいじってる時間も楽しいんです。土をいじってるだけで『今度はあれをやろう、これをやろう』とかいろいろ考えるんですよね」(宮澤さん)

育てた野菜はその場で食べたりもしていますが、サツマイモなら焼き芋会、もち米は収穫を迎えたらみんなで餅つきをして食べたりしています。

「僕は地元の出身だから都会と比べることはできないんですけど、待機児童なんかもないし、子育てにはすごくいい環境だと思います。保育園なんかも含めて、子どもたちのいる環境がいいのは魅力だと思います。車は必要ですけど、それさえあれば困ることもないですし」(宮澤さん)

子どもを転機にして転職した宮澤さん。手に入れたのは「当たり前の暮らし」でした。

COMPANY INFO 宮澤宏典さんの働いている会社

東洋精機工業 株式会社

会社情報はこちら

八ヶ岳Work&Life

無料会員登録

あなたの仕事と暮らしを応援する、八ヶ岳Work&Lifeの会員にぜひ無料登録してください。